宅建試験は,かつては一定の受験資格がありましたが, 現在は,受験資格が撤廃されて,年齢,学歴,国籍等を問わず誰でも受験できる…という点は, 「宅建試験案内」のコーナーで,すでに述べたところです。 ですから, 現在,私が教えている予備校の受講生をみても,さまざまな年齢層の方がいらっしゃいます。 そして,その予備校の受講生から,こういう質問をよく受けます。 「私は,もう高齢なので,若い人に比べて受験に不利なのではないか?」 確かに,“暗記力”という点では,高齢の方は,若い人にかなわないかもしれません。 しかし,結論から述べると,宅建試験においては,年齢による有利・不利はない… というのが,20年以上受験指導をしてきた私の実感です。 なぜなら, 高齢の方には“豊富な社会経験”という若い人には絶対にかなわない武器があるからです。 私は,予備校の授業においては, 教科書をほとんど読まずに(ただし,教科書を“無視”して,授業をしているわけでありません…^^;), 教科書は自宅でしっかり読み込むように…と,受講生に念を押したうえで… 徹底して… ●確実に点数を取るための“テクニック” (語呂合わせ等の安易なものではなく,各項目に最適の解答手法など) ●理解して学んでもらうための“なぜそうなるのか?”の説明 (各ルールの趣旨・法律ができた時代背景など) ●記憶に定着させるための“実際にはどうなっているのか”の説明 (実務に関する話や,都市計画の実例など) …等の話をするよう心がけています。 すると, 若い人は“テクニック”の話については,とっても食い付きがいいのですが, 法律の背景や実務の話になると,とたんに反応が鈍くなる場合があります。 社会経験が少ないため,話の内容が実感できず,なかなかピンと来ない方が,多いようなのです。 それにくらべて,この手の話にメチャクチャ食い付きがいいのが,高齢の受講生の方です。 とってもよく“うなずいて”くれますので,つい調子に乗って,たくさん話をしてしまい, 講義が延長してしまう…ということも,しばしばです f(^^;)。 自分の“過去の経験”に照らし合わせて,必要な知識を“頭に定着”させることができるので, 身に付けるまでに時間がかかりますが,一度覚えると,そう簡単には忘れない… という利点があるようです。 若い人は, 受験生時代から年数がたっていないので,“受験勉強”の延長としてテクニカルに学習に取り組む… 高齢の方は, 豊富な社会経験をうまく利用して,知識を定着させる… ※ただし,そのためには,豊富な事例や法律の趣旨などがキチンと説明されている学習ツールを, 適切に選ぶ必要がありますが・・・,ちなみに,“たっけん.com”が提供するツールであれば, そのへんはバッチリです! アプローチの方法は,全く異なりますが, どちらも,宅建の受験手法として“OK”なのでは…と考えています。 ですから, 私が知る限り,年齢層による合格率の差はあまりなく, 高齢だから“不利”ということは決してない…というのが,結論になります。